狙って来てくださる、その想いに胸が震えた日。──札幌にて
投稿日: 投稿者:健司宮田

札幌のデパートでの催事三日目。
ふと視線を上げると、まっすぐにこちらへ向かって歩いてくる女性がいました。
凛とした佇まい、品のある雰囲気。年の頃は50代ほどでしょうか。
まるで迷いなく、箱長の売り場だけを目指して来てくださる姿に、思わず姿勢を正しました。
「すいません!これと、これと……あ、これも!あとこれも!」
展示していた木目込みの小箱や桐のアイテムを、次々と笑顔で指さされるその瞬間――
私は思わず心の中で「えっ、そんなに!? 本当に!?」と叫んでしまいました。
驚きと同時に、胸が熱くなりました。
お話を伺うと、
「去年からずっと狙っていたんです。今日は、それを買いに来ました」
と照れくさそうに微笑まれる。
その言葉に、胸の奥からこみ上げるものがありました。
たまたまではなく、偶然でもなく、“箱長を目指して来てくださった”。
そのお気持ちが、何よりも嬉しい。
さらに驚いたのは、その方のお仕事。
なんと、モデルルームを手がける会社の社長さん。
今回お買い上げくださった箱長の商品は、
モデルルームのインテリアとして飾ってくださるとのこと。
「お部屋の雰囲気がワンランク上がるから、どうしても使いたかったんです」
そう言って、大切そうに桐箱を抱える姿に、私は思わず鳥肌が立ちました。
桐の香り、木目込みの柔らかな質感、手仕事がつくる温もり――
それらを“価値”として真っ直ぐに受け取ってくださる方がいる。
こんなに嬉しいことはありません。

遠い札幌の地で、
箱長の品を心から選んでくださるお客様がいるという事実。
その重みと喜びに、売場でひとり何度も深呼吸してしまいました。
社長さん、本当にありがとうございました。
いただいた気持ちを胸に、これからも恥じないものづくりを続けます。
またどこかでお会いできますように。
そして、モデルルームに飾られる箱長の品が、
誰かの暮らしの中でも、そっと心を温める存在になりますように。
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