「どこもできない」と言われた仕事を、箱長は引き受けた。——世界へ届ける500の桐箱

昨年11月末、一本の電話が箱長に入りました。
内容は、海外の要人へ贈られる日本のお土産——
江戸切子や寄木細工などを収める桐箱の製作依頼でした。

しかし、その条件は決して容易なものではありませんでした。
納期は12月25日。
しかも、サイズは10種類。

すでに日本中の桐箱屋へ問い合わせたものの、
「その条件では不可能」と、すべて断られていたそうです。

そして最後にたどり着いたのが、箱長でした。

一瞬の間。
しかしその瞬間に、私の中では答えは決まっていました。

——これは、やるべき仕事だ。

「やります。」

即答でした。

そこからは時間との勝負。
サイズごとの設計、材料の確保、製作工程の調整——
ひとつでも歯車が狂えば間に合わない、極限の現場。

桐という素材の特性を見極めながら、
職人たちが一丸となって手を動かし続けました。

そして迎えた納期直前。

すべての桐箱が揃い、無事に納品。
まさに**“ギリギリセーフ”**でした。

今回のご依頼主は、ドバイ大使館。
世界の要人へと渡る、日本のお土産を収める箱です。

その責任の重さを思えば、
ただ納めるだけではなく、
「日本の仕事」として恥じない品質であることが求められました。

後日いただいた言葉。

——「Wonderful」

その一言に、すべてが報われた気がしました。

どこもできないと言われた仕事を、引き受ける。
そして、やりきる。

それは簡単なことではありません。
けれど、箱長はこれまでも、
そうした仕事の積み重ねの中で歩んできました。

500箱の桐箱の向こうにあるのは、
ただの数ではなく、
日本のものづくりの誇りそのものです。

これからも箱長は、
「できない」と言われたその先にこそある価値を信じ、
ひとつひとつ、真摯に向き合ってまいります。