「全国に『また会いたい人』がいる。物産展でつながる人とのご縁」
投稿日: 投稿者:健司宮田

秋の物産展シーズン真っ只中です。
9月に入ってから、鹿児島、岡山、そして今は札幌に来ています。
こうして書いてみると、「ずいぶん飛び回っているな」と自分でも思います(笑)。
浅草を離れ、桐製品をたくさん積んで全国の百貨店へ。
毎年この時期になると、各地のお客様にお会いできることを楽しみにしながら出張を続けています。
そして私には、鹿児島にも、岡山にも、札幌にも、出張すると必ず顔を出す「行きつけの飲み屋」があります。
長年通っていると、いつの間にか店主ともすっかり顔なじみ。
「今年も来たね」
「今回はいつまでいるの?」
そんな何気ない会話から、いつもの出張が始まります。
でも、本当にありがたいのはここからです。
私が百貨店の物産展に出店していると、店主が必ず会場まで足を運んでくれます。
それだけではありません。
「浅草から面白い桐屋さんが来てるよ」
「ちょっと見に行ってあげてよ」
そんなふうに、自分のお店のお客様にまで声を掛け、箱長の宣伝をしてくれるのです。
頼んだわけではありません。
何か見返りがあるわけでもありません。
ただ、「せっかく遠くから来ているんだから」と応援してくれる。
これは本当に嬉しいものです。
考えてみれば、私たち箱長の商売は、ずっとこうした「人とのご縁」に支えられてきたのかもしれません。
以前、広島への出張で、朝のランニング中に前年接客したお客様と偶然再会したことがありました。
その方が夕方、百貨店まで来てくださり桐の箪笥をご注文。さらに翌日には、亡くなられたお母様が好きだった桜柄を使った仏壇までご注文いただきました。
偶然の再会が、大切なご縁につながった出来事でした。
商品を売ることだけを考えていたら、こういう出会いは生まれないのかもしれません。
鹿児島へ行けば「待ってたよ」と言ってくれる人がいる。
岡山へ行けば、昨年のお客様との再会がある。
そして札幌にも、私が来るのを楽しみにしてくれる人たちがいる。
浅草から何百キロ、時には千キロ以上離れた土地なのに、いつの間にか「また帰ってきたい場所」になっています。
商売を長く続けていると、売上や数字に一喜一憂することもあります。
もちろん数字は大切です。
でも全国を回っていると、それ以上に大切なものがあることを何度も教えられます。
「また来年も来てよ」
その一言が、次の一年を頑張る力になる。
箱長は明治7年創業。
長い歴史がありますが、その歴史をつないできたのは、桐や木目込みの技術だけではなく、こうした一人ひとりとのご縁なのかもしれません。
今、私は札幌にいます。
今夜もきっと、いつもの店に顔を出せば、
「今日、売れた?」
なんて聞かれるのでしょう(笑)。
全国に「また会いたい人」がいる。
それは、長く商売を続けてきた私にとって、何よりの財産です。
鹿児島、岡山、札幌。
今年の秋も、たくさんの出会いに感謝しながら、箱長の桐製品を皆様にご紹介していきたいと思います。
そしてまた来年、
「今年も来たね」
そう言ってもらえるように。
これからも商品だけではなく、人と人とのご縁を大切にする商売を続けていきたいと思います。
