また来年も」の約束が、私の手を動かす
投稿日: 投稿者:健司宮田

9月は鹿児島、岡山、札幌と、箱長の品を携えて各地の百貨店を巡りました。
浅草から遠く離れた売り場でも、お客様の顔を見ると、昨年交わした会話がよみがえります。一年ぶりにお会いできることが、こんなにも嬉しい。長く出張を続けてきて、年々そう感じるようになりました。
各地には、行きつけの飲み屋もあります。そこの店主たちは百貨店まで足を運び、ほかのお客様にも箱長のことを紹介してくださいます。仕事を終えてくつろぐ場所で生まれたご縁が、昼間の売り場までつながっている。その温かさに、何度も励まされました。
そして、お客様からいただく言葉。
「良い物をありがとう」
「来年は注文しますね」
「また来年も来てくださいね。元気にお会いしましょう」
とくに「また来年も」という言葉は、帰りの荷物をまとめる頃にも心に残ります。品物を気に入っていただけた喜びと、私との再会を楽しみにしてくださる嬉しさ。その両方が、次の一年を頑張る力になります。
浅草へ戻れば、私も職人として、ご注文いただいた品を自分の手で作ります。作業をしていると、売り場でお会いしたお客様の顔が自然と思い浮かびます。どの柄にしようかと迷われた表情や、ご希望を話してくださった声まで。
「あの方は、届いた品をどんな顔で見てくださるだろう」
そう考えながら手を動かしていると、ご注文の一つひとつが、お客様との会話の続きのように感じられます。お会いした時間は短くても、品物を作る間、そのご縁はずっと私のそばにあります。
来年も元気に、笑顔で、それぞれの土地へ伺いたい。そしてまた、皆さんとお話ししたい。
「また来年も」の約束を胸に、今日も浅草で、一つひとつ心を込めて作っていきます。
